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教育研究の内容・方法と条件整備

第1節 外国語学部

(6)開設授業科目における専・兼比率等

 平成15年度1期授業科目の専任教員と兼任教員の授業担当比率は次のとおりである。

外国語学部
学   科   科目数(コマ数) 割合(%)
総合教養 専任教員 74 51.0
兼任教員 71 49.0
145  
英米語学科 専任教員 202 36.4
兼任教員 353 63.6
555  
フランス語学科 専任教員 64 49.6
兼任教員 65 50.4
129  
中国語学科 専任教員 61 48.0
兼任教員 66 52.0
127  
日本語学科 専任教員 51 65.4
兼任教員 27 34.6
78  
専任教員 452 43.7
兼任教員 582 56.3
合計 1034  

 該当科目 総合教養:共通科目、基礎ゼミナール、教職課程専門科目   各 学 科:専門科目、専門ゼミナール

 専任教員担当科目数の割合は43.7%であり、半数以上の授業を兼任教員が担当している状況である。だが各学科とも、専門ゼミナールなどは極力専任教員が担当するようにしている。

 外国語学部では、語学の授業、特に専攻語学のほとんどの会話授業でネイティブ教員による少人数教育を実施しており、専任教員のみではとうてい授業を消化出来ず、兼任教員が担当している。外国語学部においては、専攻語学はもとより副専攻語学においてもクラスサイズを20人以下とする少人数教育の計画があり、これまでよりも兼任教員による授業が増加することが予測される。

 各学科、総合教養などの教員組織において毎年兼任教員との懇談会・打ち合わせ会を開催し、本学からは、学部、学科及び科目系列の教育方針、教育目標等を説明し、また、兼任教員からの要望を聞くなど、相互の関係を密にするようつとめている。

 また、平成12年度・平成13年度に、本学FD委員会において、「受講態度の改善」に関するアンケート及び「授業の活性化」に関するアンケートを全教員対象に実施し、兼任教員からも活発な意見が提出された。以下は各学科の専任教員と兼任教員の授業担当割合である。
1)総合教養
1. 全授業科目中、専任教員が担当する授業科目とその割合
 総合教養に属する教員は、全学の一般教育に相当する共通科目、情報処理科目、体育のほか、外国語学部の専門科目である基礎ゼミ及び副専攻語学(スペイン語、ドイツ語、ポルトガル語)並びに教職科目を担当している。
平成15年度1期の専任教員と兼任教員の授業担当コマ数は、次のとおりである。

科   目 専任担当(A) 兼任担当(B) 計(C) 専任教員担当比率
(A)/(C)%
共通科目 39 60 99 39.4
情報処理科目 7 8 15 46.7
体育 13 2 15 86.7
基礎ゼミ 15 1 16 93.8
副専攻語学 3 38 42 7.9
教職科目 4 2 6 66.7

 本学の共通科目は、99コマを開講しており、そのうち、約40%を専任教員が担当している。人間、文化、社会、経済、総合と専門分野が多岐に亘っており、このうち主要な科目は専任教員が担当しているので、この比率はやむを得ないと考えている。一方、本学が特に重視している科目の1つである基礎ゼミは、専任教員が最低1コマは担当している。副専攻語学のスペイン語、ドイツ語、ポルトガル語に関しては、一部を除き兼任教員にお願いしている。
2. 兼任教員等の教育課程への関与の状況
 総合教養では、毎年年度の初めに兼任教員との懇談会を開催し、必要な連絡調整を行い、
授業運営に差し障りのないよう万全を期している。しかし、専任教員がいない副専攻語学では、個々の授業運営は担当する兼任教員の判断で行なわれており、教員間の格差が若干見られる。今後、授業全体をコーディネートする教員を配置するなど対策を考えたい。
2)英米語学科
1. 全授業科目中、専任教員が担当する授業科目とその割合
 専任教員は、専門科目の中の専攻語学における「会話・作文」「講読・文法」「総合演習」、専攻文化における「英米文化」、専攻語学研究における「英語研究」の授業を、それぞれ約2分の1の割合で担当している。専門ゼミ(英米文化研究)においては、約8割を専任教員が担当している。また卒業論文指導は、すべて専任教員が担当している。

 英米語学科の専任教員の授業担当率は、他学科に比べて低くなっているが、その要因としては、専門科目の充実をめざして新しく開講された「超」少人数制のPower-up Tutorialによって開講授業数が増大したことや、習熟度別クラス編成を導入している少人数の「会話・作文」の授業数が学生数に比例して多くなっていることが挙げられる。開設授業科目における、現状の専・兼比率のもとで、最大の教育効果をあげるため、各分野に専任教員によるコーディネーターを設置し、兼任教員との関係を密接にしている。

 専任教員の数を増やすに越したことはないが、財政的にそれが困難であるならば、現在行っているコーディネーター制度などをさらに充実させ、専任教員と兼任教員との関係をより密接にし、さらなる教育効果の向上を目指すよう務めなければならない。
2. 兼任教員等の教育課程への関与の状況
 Power-up Tutorialや習熟度別クラス編成などによる少人数制教育を行うことにより、それらの授業数がかなり増え、そのため兼任教員への依存が高くなるのもやむを得ない。兼任教員については、本学科はその専門性に優れ且つ本学の採用規定を満たす人材を選択し、主に少人数教育への委嘱を行っている。しかし、兼任教員の授業担当率が増せば増すほど、ともすれば学生と専任教員との接触が薄れ、本学科が目指す教育効果が弱まるという可能性が生じよう。それを避けるため、専任教員との打合会への積極的参加を兼任教員に求めるなど、専任・兼任の連携を密にし、本学科の教育効果の増大を図っている。

 兼任教員の本学科への質的貢献度を更に高めるためにも、各授業の目的・目標などをさらに明確でかつ合理的なものとしなければならない。また、各科目のコーディネーターとなっている専任教員と兼任教員との関係もさらに密にしなければならない。
3)フランス語学科
1. 全授業科目中、専任教員が担当する授業科目とその割合
 平成15年度I期にフランス語学科が提供する全科目中,専任教員(客員を含む)が担当するのは、専攻語学科目、専攻文化科目、専門ゼミ、副専攻語学科目など全129コマ中、64コマであり、5割となっている。内訳として、専門課程教育では、専任教員が8割という非常に高い割合で担当しており、理想的な環境と評価できよう。

 一方、選択必修科目の多くを占める副専攻語学としてのフランス語科目に関しては、専任教員の担当が1割に満たず、兼任教員に任せきりの現状を認めざるを得ない。専門科目及び専門ゼミについて言えば、今後も現状維持が望ましい。ただ、専任教員では補えない内容に関わる科目については、必要に応じて兼任教員への協力要請も厭わない。
2. 兼任教員等の教育課程への関与の状況
 フランス語学科には現在11名の兼任教員(うち7名は、総合教養所属)がおり、そのうち3名が専門科目、2名が専門科目及び副専攻語学、6名が副専攻語学の授業のみを担当する。専門科目の担当兼任教員には、各専門性を反映する授業内容を依頼している。副専攻語学の授業では、初級10科目、中級10科目、上級2科目、計22科目のうち、2科目を除く20科目を兼任教員に託している。

 参考までに、平成15年度のI期修了時に実施した兼任教員による副専攻語学の授業に関する受講学生へアンケート調査結果の一部(回答数76)を示す。
  • 授業内容のわかりやすさ    (どちかというと)わかりやすい  68%
  • 新しい知識・考え方が学べたか  (どちらかというと)学べた   86%
  • 体系的で工夫されていたか    (どちらかというと)工夫されていた   57%
  • フランス語が身に付いたと思うか (どちらかというと)身に付いた  61%
 他方、副専攻語学を担当する兼任教員からも、これまで、「授業内容を勝手に決めて良いのか」、「到達目標がはっきりしない」などの声が寄せられてきた。平成15年度から、中級の授業修了時に「実用フランス語検定3級」以上の到達目標を設定し、協力を要請している。今後は専任教員のひとりを副専攻語学科目のコーディネーターに据えて組織化することで、体系的な教育内容の実現に向けた改革を行っていく。また、年に1回は兼任教員全員を交えての意見交換会を行い、学科の一員としての自覚を持った積極的な教育が期待できるようにしたい。
4)中国語学科
1. 全授業科目中、専任教員が担当する授業科目とその割合
 現在、中国語学科の専門科目(副専攻語学を除く)の授業中、専任教員が担当するのは49科目、北京外国語大学から招聘する客員教員の担当科目は8科目、兼任教員担当の授業は22科目である。各学年の専門科目の授業には、必ず2名以上の専任教員が担当するよう配当している。また3・4年次の専門ゼミナールの授業はすべて専任教員が担当している。

 専任教員だけで全ての授業を担当するのは不可能であり、兼任教員との連絡の上に授業を実施せざるを得ない状況にある。しかし、各学年の専門教育科目には必ず2〜4名の複数の専任教員が担当し、学生の状況を把握する体制を取っている。

 専任教員は常時学内に所在し、学生並びに他の教員との情報交換に基づき、必要に応じて素早く対応することが可能である。学生にとって、複数の教員が担当する異なる科目の間にも授業の連絡性が感じられるよう授業の進度、学生の理解度について相互に定期的に情報交換をする機会を多くしたい。
2. 兼任教員等の教育課程への関与の状況
 兼任教員が担当する専門教育の授業は22科目である。兼任教員は1名を除き全員がネイティブ教員で会話の授業を中心に担当しているが、専任教員では担当できない科目(福建語)を担当する兼任教員1名が含まれる。

 現在、毎年4月に新年度開始時の専任・兼任を合わせた意見交流会を催し、学科としての授業方針と成績決定の基準を確認する場を設けている。また、期末試験の結果及び注意が必要な学生について、成績決定時に兼任教員からアンケートに回答してもらう形で、現状を把握する体制を取っている。兼任教員の担当の授業について学生から質問が出た場合に、専任教員が代わって対応できるように、専任、兼任を問わずどの学年で何を学ぶか授業内容について相互認識をはかるべく情報交換を密にしたい。
5)日本語学科
1. 全授業科目中、専任教員が担当する授業科目とその割合
 現在、日本語学科における専任は10名(教授4名、助教授4名、講師2名)であり、このうち、教授(日本語教授法担当)の1名が本学日本語教育センター長を兼務、講師(英語担当)の1名は外国からの任期付客員教員である。また、本学科の教授全員及び助教授のうち、3名が大学院の科目または研究指導を兼担している。

 これら現状の中で、本学科の全科目数47科目に対する割合は以下の通りとなっている。
  • 専任100%担当     27科目   57.45%
  • 専任 50%担当      2科目    4.26%
  • 専任 25%担当      2科目    4.26%
  • 非常勤講師の担当    16科目   34.04%
 今後この割合のうち、特に専任が50%及び25%の科目について、より専任率を高めることが理想ではあるが、単に教員数を増加させれば問題は解決するが、闇雲な教員採用計画は健全な大学運営を考えた場合慎重であるべきと考えられ、一つの方法論として、現在、一応の基準となっている週当たりの担当講義数6講義について全学的観点からの見直しが必要となる。

 その際、週当たりの担当講義数のみならず、大学院研究指導担当、学内の各種委員会担当、担当クラスの履修学生数、管理運営の役職等多面的に考慮しなければならない。
2. 兼任教員等の教育課程への関与の状況
 専任担当以外の担当は学内の他学科からの兼担教師か他大学からの非常勤講師に頼っている。英語とか文章表現などの科目では、一クラスが小クラスに分かれて、それを専任と兼担または非常勤講師が共同で担当している場合もある。
学科の運営上は、現在のところ別に大きな問題はない。しかし、理想的には、専任担当の率をもっと増やすと、教育的にもより良い結果に結び付くと考えられる。