自己点検・評価

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教育研究の内容・方法と条件整備

第1節 外国語学部

(5)留学制度等による単位認定(学科別)

1)英米語学科
1. 交換留学及び認定留学
 英米語学科では、アメリカのウェスタン・ワシントン大学、クレムソン大学、カーソンニューマンカレッジなど、イギリスのバース・スパ大学、オックスフォード・ブルックス大学、セントラル・ランカシャー大学など、オーストラリアのグリフィス大学、ニューカッスル大学、サンシャイン・コースト大学などと提携を結び、交換留学及び認定留学を行っている。交換留学に関しては、学内選抜(筆記・面接・TOEFLの結果など)を行い、毎年10名程の学生を提携校に留学させている。また、交換及び認定の両方を合わせると毎年40名前後の学生が留学をしている。今後は、提携校がさらに増えることも要因し、留学を希望する学生が増えると予想される。単位認定は、年間30単位(半年の場合は16単位)を越えない範囲で、本学開講科目の単位に読み替えている。読み替えの際には、英米語学科教務委員が、留学生の留学先の学習内容に即して(使用したテキスト、ノート、本人からの事情聴取など)−人一人本学開講科目の内容に、より近い科目に読み替えている。その際、単位数に関しては、本学の1科目の授業時間90分×15回=1350分=2単位を原則とし、留学先の授業出席時間を計算し、その上で内容に即した科目に互換を行っているので非常に厳密であると言える。

 また、互換する科目は、平成15年度までは専門科目に限られていたが、平成16年度からは、共通科目をも含めて互換の対象となるので、留学生が留学先でより幅広く科目選択ができるようになる。しかしながら、留学生が留学先で余りにも多くのいわゆる共通科目的な(音楽・体育など)科目を履修し、専門科目を余り履修しないとも限らないので留学する前にその指導は必然的なものとなる。また、留学生の中には、第二言語学習者対象の授業しか履修してこない学生も若干いるので、学部の正規の授業も積極的に履修し、自分自身を高めさせていく指導も今後必要である。
2. 検定試験
 現在、英検、TOEFL、TOEICをそれぞれのレベルに応じて2単位から8単位で単位認定を行っている。授業科目の中でも「検定英語」という科目を設置したり、また、検定英語支援講座という正規の授業とは別の講座を設け、学生の英語学習意欲の向上及びレベルアップを図っている。また、検定試験の内容は、本学科の学習目標と一致しており、カリキュラムとも密接な繋がりがあるので、検定試験による単位認定は妥当であると言える。しかしながら、オーストラリア・ニュージーランドでは、TOEFLに替わる検定試験が主流になりつつあり、それらの大学の正規の授業内でもその対策授業が行われており、また、留学生もこの検定試験を受けてくる学生が徐々に増えつつあるので、先の3つの検定試験に、単位認定の検定試験として新たに付け加えていくという検討が必要である。

2)フランス語学科
1. 交換留学及び認定留学
 フランス語学科は、リヨン第3大学、ボルドー第3大学、モントリオール大学、ブリュセル外国語大学、パリ第4大学フランス文明コース、マルヌ・ラ・ヴァレー大学、グルノーブル第3大学(平成16年秋から交流再開予定)の7大学と国際交流協定を締結しており、提携大学での単位互換プログラムの充実は、急務であるが、目下の所、それ以前に以下の二つの問題を抱えている。つまり一つは、留学先の大学によっては、外国人のための語学研修附属機関を持たないため、学部の授業を受講せざるをえないというカリキュラム選択上の問題、二つ目は交流提携大学の中にはカリキュラムが異なり、本学科の専攻科目内容とずれるもの(例えば、専門的な法律、経済に関する科目)もあるという問題がそれである。但し、後者については、最近先方の大学と調整を行なった結果、単位認定が可能になった。カリキュラム選択については、教育プログラムの充実を目指して、今後も大学相互に検討の余地がある。また先方の授業における語学のレベルについても、同様である。これらの点については、留学生達の報告レポートなどの分析を踏まえて、今後学科会議で検討を進める。

 しかし、当面の解決策は、問題の大学への留学生の派遣数を減らし、こうした問題がなく、しかも充実した教育プログラムを誇るグルノーブル第3大学を新たな選択肢に加えることである。後者に関しては、平成16年の交流再開に向けて努力した結果、平成15年秋に交換留学生を送れる見通しになった。 

 他方、認定留学では留学先大学において取得した単位は年間30単位(半年の場合は16単位)を超えない範囲で、本学で修得したものとして認定している。認定科目及び認定方法は、交換留学の場合と同様である。そのため、単位互換認定のための海外での学習の時間数、互換科目同士の内容の一致、留学先での学期末の試験結果が規定以上の成績であることを吟味した上で、単位を認定している。従って認定留学の単位認定は厳格に行なわれていおり、現在のところ問題は生じていないが、提携校以外での認定留学については、留学先のカリキュラムを学科内で更に検討し、本学科のカリキュラムとの照応関係をより厳密に学科会議の場で検討する。
2. 検定試験
 仏検、DELF、TEFなど、それぞれレベルに応じて2単位から8単位の単位認定を行っている。仏検及びDELFについては、「フランス語研究」のカリキュラムに「検定フランス語」の科目を設け、受験対策を行なってきた(DELFについては、平成15年2期から)。検定試験の内容は、本学科の学習目標と一致しており、カリキュラムとも密接な繋がりがある。従って、検定試験による単位認定は妥当なものと評価できる。

 なお、卒業所要総単位中における学科の認定単位数の割合は、卒業に必要な総単位数124単位のうち、交換留学及び認定留学による単位互換は最大30単位、短期海外研修では2単位、各種語学検定試験では2〜8単位が認定されている。こうした単位認定数の上限は、学部間、学科間における整合性を基礎として決定されているので、総単位中の認定数の割合については現在のところ異論はないが、認定単位は、本学科の専門科目を対象としているので、その割合は、互換対象科目の検討と併せて、今後、学科内及び他学科との調整、検討が、状況に応じて行われることが望ましい。従って、その必要があれば、学科会議の議題とし、また学科内の教務委員を通して教務委員会に諮ることになろう。
3)中国語学科
1. 交換留学及び認定留学
 北京外国語大学・西安外国語学院・大連外国語学院・天津外国語学院・上海外国語大学の5つの提携校の学生と中国語学科の学生が交換留学を行なっている。本学科では毎年、希望者の中から学内選抜試験(筆記・面接)により交換留学生を選抜し、提携各校の外国人向け中国語履修コースに1、2名の学生を留学させている。また各提携校からも交換留学で1、2名の学生が本学を訪れている。なお、中国語学科では留学は3年生以上の学生に限って認めている。
留学を3年生以上に限定しているのは、ほとんどの学生にとって中国語は入学後はじめて学習するものであるため、1、2年次に留学しても高い効果がえられないと考えるからである。本学で2年間以上の中国語の基礎を固めてから、1年間の留学を行なえばより高い効果が得られる。以上ように交換留学はカリキュラム上適切な時期に行なっていると判断できる。その外に、認定留学や休学留学の形で、中国の正規の大学に留学するものも多い。その中には上記5つの提携校以外の大学に留学するものも多い。

 本学の提携校との交換留学、および中国の正規の大学への認定留学により留学した場合、留学先で取得した単位は本学開講科目の単位に読み替える。読み替えの際には、中国語学科専任教員が、留学生一人一人の留学先での学習内容に即して(使用テキストやノートなどによる)、その内容に相当する適切な本学開講科目の単位に読み替える。また単位数に関しては、本学の授業時間90分15回(1350分)を1授業分として留学先での授業出席時間を計算し、その上で読み替えを行なうので厳密と言える。中国における授業時間は多く、殆どのケースで充分に30単位分の出席時間が確保できている。
 また、長期留学者は留学先で読み替え可能な授業時間を大幅に超えて学習をしているが、本学で学習した授業単位数を主体に卒業単位を取得する事を重視する立場から、現行の読み替え単位数は、妥当であると考える。+
2. 検定試験
 大学入学前・後を問わず、「中国語検定試験(以下「中検」)」「漢語水平考試(以下「HSK」)」で取得した資格について、「検定試験」の科目名で単位認定している。その難易度に合わせて、中検準2級、HSK5〜6級には「検定試験AI」の科目名で4単位、中検2級、HSK7〜8級には「検定試験AII」の科目名で6単位、中検1級、HSK9級以上には「検定試験AIII」の科目名で8単位認定している。2000年度の制度化以来(HSKの認定は2001年度より)2002年度2期までの段階で、中検で単位を認定されたもの者はI1名(内、中国語学科学生8名)。

その内、中国語学科8名のうちわけは「検定試験AII」1名、「検定試験AI」7名である。

HSKで単位を認定された者は42名(すべて中国語学科学生)。42名の内訳は「検定試験AII」

14名、「検定試験AI」28名である。難易度により、単位数に差を設けており、その尺度は適切と思われる。

 現状は、中検で認定された者11名に対して、HSKは42名と圧倒的に多い。HSKは中国政府が実施している試験であり、単位取得者はほとんどが留学経験のある学生である。中検準 2級以上を取得するには留学以前の学生にはやや困難である一方、留学した学生はその多くが中国現地でHSKを受験する。上述の中検とHSKの人数差はこの点に起因するものと考えられる。HSKで級を取得する者が多い現状は、留学を推奨している本学の特徴を表していると言えよう。 一方、中検で認定される者が少ない点に課題が残る。また総じて、この制度による単位認定者数は多いとはいえない。

 中検に関しては、単位を認定する級の受験を奨励することのほか、単位認定の対象となっていない中検3級、4級の受験も奨励し、HSKに関しては、留学経験の無い学生にも受験を促していきたい。

4)日本語学科
1. 交換留学及び認定留学
 海外の大学との学生交流協定を締結している大学で日本語学科から学生を送っている大学は現在において、オーストラリアのニューカッスル大学である。

 なお、交換留学生として半年留学した場合は、専攻語学圏に留学する他学科学生と同様、最高16単位、1年では最高30単位まで日本語学科の単位として読みかえている。日本語学科の学生が英語圏の大学に留学した場合、副専攻語学の英語の単位は充分満たすことができる。

 しかし、専攻語学(日本語)や専攻文化(日本文化)の単位へ読み替えができ、学生の語学力でも単位取得できそうな科目が開講されている留学先は提携校の中で限られている。ニューカッスル大学の場合、週25時間(15週)、計375時間の英語コースは 日本語学科の英語の単位 (12単位まで)と他の科目に読み替えると同時に、Japanese Civilization, Linguistics(週3時間×15週)などは、「日本文化」や、「言語学」関係の科目(各4単位まで)に読み替えている。また、ニューカッスル大学で行われている日本語の授業(レクチャー、チュ―トリアル)を20時間見学し、日本語学科の定めるテーマでレポートを提出した場合は2単位、30時間見学した場合は3単位と見なし、学科の「日本語教育」関連の科目に読み替えてきたが、ニューカッスル大学の日本語履修者の減少に伴い日本語の開講科目数も減り、必ずしも上記のような条件での単位認定が出来なくなってきたのが残念である。

 上記のような問題を解消するためにも、本学が交流協定を締結している他大学で日本語教育が盛んな米国の大学への学生の派遣が可能となるよう、学科生の英語力を伸ばし、それらの大学への留学を勧めていく予定である。
2. 検定試験
 日本語学科はそのカリキュラム特色が示すように英語活用能力にも重点が置かれており、その観点からほぼ英米語学科と同様の検定試験に対する取り組みが実施されている。