自己点検・評価

自己点検・評価インデックス>> 第11章第1節 (5)良好な資産状態の維持

財政

第1節 財政目標と対策

(5)良好な資産状態の維持

 本学園の資産の状況を貸借対照表比率によって見ると、まず固定資産と流動資産の割合について、本学園の場合、流動資産比率が全国平均よりもかなり高い数値を示している。これには本学園の会計処理において減価償却を直接法で行っているというカラクリがあるが、それを修正してみても全国平均値の倍以上の高い数値となる。社会のニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応してゆくには潤沢な資金を持つことが重要な要件である。この意味から流動資産比率の高い資産構成を持つことはこれからの大学経営にとって必要条件と考える。今後もこの状態を維持するよう努めてゆきたい。

 本学園の減価償却比率は全国平均に比べ2%ほど高くなっている。この理由は本学園が最近新しい建物を多く建てたこと及びその中に入れた機器に耐用年数の比較的短いコンピュータ等が多く、償却金額を高めているためと考えられる。この傾向は今後もしばらく続く予定であるため、結果として各年度の消費収入超過額が圧縮され経営成績を悪く見せるかもしれない。しかし反面、このことは固定資産の流動資産化を促すものであり、社会の変化に迅速に対応するための資金需要の大きい、これからの大学経営にとって好ましいことと捉えている。

 つぎに負債関係の比率について、本学園の総負債比率は全国平均に比べて5%程度低い値となっている。したがって固定負債構成比率、流動負債構成比率も相対的に低い数値となっている。負債が少ないことは新たな事業計画を立てる場合に身動きし易い状況をつくることであり、好ましい状況と考える。

 本学園の資産状況は、全国平均の数値との比較で見る限り、良好な状態にあり積極的な経営姿勢を支えていると言える。ただ、今後の展開によっては、新しい事業に係る新しい校舎などの固定資産の取得が増加し、資産構成比率が崩れてゆく可能性がある。これを防ぐには今後の新事業計画に当り、投資額とその回収可能性のバランスを充分に見積もることが肝要である。