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渡辺 響 さん



「言葉と向き合う」-大学生活で得た将来像

1.はじめに

外国語学部 日本語学科 4年
渡辺 響さん

私はもともと言葉に興味があり、言語学を専攻したいと思い本学の日本語学科へ入学しました。その学科での学びが活かされ、現在は出版社で「校閲」職の内定をもらい、言葉のプロフェッショナルになるための道の第一歩を踏み出すことができました。今回、4年間の大学生活をこのような形で振り返る機会をいただけたので、この場をお借りして自身の学びについてお話させていただきたいと思います。

2.学科での学び

学科では、講義を通じ「正しい日本語とは何か」「言葉が通じるとはどういうことか」などといった問いと向き合ってきました。その過程で言葉の細かな意味やニュアンスの違いを論理的に考える癖を身につけられたとともに、「言葉のおもしろさ」をより強く感じ、積極的に学びに向かう意欲が培われました。話す・書くといった実践的な学習も行ってきたので、その学びを活かすため、日本語学科主催の「日本語表現大会」にも参加してきました。同じ言語学を学ぶ人たちをライバルとして勝敗を競うことはモチベーションにもなり、何度も挑戦しました。作文部門では、伝わりやすい文章構成を日々の学科講義の中で研究するだけなく、当日発表される作文の題がどんな内容であってもひるまないように、ニュース等で取り上げられた問題を自分なりに深く考えてみる等、「自分の意見」を持つ癖をつけるようにしていました。その結果辿り着いた作文部門での優勝は、実践的な能力が育ちつつあるという自信に繋がりました。

3.マス研での実践

自身の成長には、マスコミ業界研究グループ(通称マス研)での活動も大きく影響しました。

私は放送班、新聞班と分かれているうちの新聞班に所属し、学内新聞づくりや雑誌の紙面制作に取り組みました。記者として記事を書くだけでなく、編集長、また新聞班リーダーとして多角的に制作物に携われたことで、自身の未熟な面を改めて知るとともに、自身がより熱をもって取り組めるものを知ることもできました。学びの実践の場として、インプットだけでなくアウトプットの機会を日々得られていたことは、学習内容が身につくことに繋がり、成長への糧になっていったと思います。

名外大マス研新聞

4.「ぶれない軸」を

学科、そしてマス研での活動にやりがいを感じたことで、将来は言葉を専門とする仕事に就くことを目標に定めました。はじめは「マスコミ業界」と漠然と捉えていましたが、就職活動を進める中で「校閲」という仕事を知り、自身が夢見る将来像にあった職業だと強く感じました。そう思える根拠を学科、そしてマス研を通して養えたことで、軸がぶれることなく就職活動に臨むことができました。

5.終わりに

実質的な能力を育てることももちろん大切ですが、自分は何が好きなのか、どういったものにやりがいをもてるのか、そういった自分自身を知ることがこの4年間の大学生活で辿り着くことのできた成果であると思っています。積極的な学びへの姿勢は、学ぶことの楽しさを知ることに繋がり、それが「校閲」という心から取り組みたいと思った仕事に導いてくれました。そんな自分自身のアイデンティティを育て、温めてくれる土壌がこの大学にはあったと、4年間を振り返り感じています。