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相馬 百花さん



明日を創造する学び

はじめに

外国語学部 英米語学科 2年 相馬百花さんの写真

外国語学部 英米語学科 2年
相馬 百花さん

今回、大学生活における学びについての執筆機会をいただいた。まだまだ未熟ではあるが、昨春、右も左も分からずに進学した私の変化や、一年次での経験を通して得た学びを執筆する。

Mrs.Phan との出逢い

研修中、友人に撮ってもらった一枚。雲一つない高い青空が美しかった。

研修中、友人に撮ってもらった一枚
雲一つない高い青空が美しかった

授業と新生活を両立させることに精一杯で、一期は風のように過ぎ去り、ようやく大学生活にも慣れた頃の昨年の夏季休暇に、私は海外研修に参加することができ、約一か月の間をアメリカで過ごした。

私はこの海外研修中、ひとりの女性との出逢いをきっかけに、人として感じる幸福や美点、それに伴う語学学習の必要性や可能性を、身をもって認識することができた。これらは、想像以上に私を色濃く変化させ、はっと目を開かせた。その女性の名は、Mrs. Phan (と呼んでいた)。彼女はホームステイ先のホストマザーであったが、年齢は76歳と、私との年齢差も大きく、さらに一人暮らしをしていた。出国前は大きな年齢差を気にしてしまったが、その必要は全く無かった。私たちは毎晩、時を忘れて2時間、長い時には3時間近く話をした。アジアで生まれ、戦争を経験し、ヨーロッパで教育を受け、アメリカで母となった彼女の目、手、言葉のひとつひとつから、独立と責任感ある強さ、しかしどこか女性らしい温もりや、優しささえも感じられた。私は、毎晩本を貰っているような感覚であった。また、互いの意見や人生経験、夢を毎晩共有し、ある晩は爽やかで柔らかな夏風を感じ、星を眺めながら詩を作り、英語と日本語、両方のサウンドを共に楽しみ、味わった。

海外研修を通し、語学や経験は次世代を創造することに直結しているのだと強く感じた。Mrs.Phanという友人と過ごした時間を生涯忘れることはなく、私は彼女から貰った“本”を何度でも読み返すだろう。

毎日、ルームメイトと家の庭から見ていた夕陽

CLOSEUPS写真

Mrs.Phan が飼っていた、犬のSupitu

英語スピーチコンテストへの参加

私は、大学一年目の学びの集大成として、毎年12月に開催されている英語スピーチコンテストへの参加を決意した。テーマをもとに、原稿は自分で作成する。私は、昨年で強く感じた人間関係の美しさを取り上げた。伝えたいことが沢山あるなかで、構成や描写を考えながらも、要点を簡潔にまとめなければならない原稿作成では、先生方にお世話になった。週一回の対策授業はあったが、自ら先生方にアポイントメントを取り、朝や昼休みに原稿を添削していただいた。“この単語、フレーズの方がより力強く立体的に表現できる”、原稿提出が既に完了している本番直前でも、“少し変えてもいいから、本当に納得できる文にするといい”、など、先生方の熱いご指導が私の原稿の完成度を高め、より立体的に表現することを可能にした。

スピーチをする上で欠かせない要素の発音やアクセント、抑揚に関しては、入学前と比べて向上したと感じる。それは、毎日の授業で先生方の話し方を常に傾聴し、時間がある際は英語のラジヲを聴き、帰宅後は出来るだけ英語を話す時間を作るという、地道な日常作業の効果ではないかと思う。また、スピーチの録音と改善を繰り返した。

これらの成果もあり、本番では私らしくスピーチをすることができ、さらに優勝をいただくことができた。しかし、賞に関わらず、スピーチを終えるまでの過程が最もスピーチコンテストに参加してよかった、と思えるものである。新しい自信が付き、もっと上手くなりたい!そんな思いがめきめきと湧いた。そして、大勢の方の前でスピーチを終えた時には、自然と笑顔になっていた。
昨年のスピーチコンテストに満足することなく、今後も初心を忘れることなく、語学力・技術力向上に努めたい。

変化はどこまでも

クラスメイトと先生との一枚

クラスメイトと先生との一枚

新鮮で密な大学一年目を終え、気が付けば、私は再び大学の桜を見ていた。一年前に東北から進学した私は、真新しいスーツを着て、桜並木をひとり心細く歩いていたことを、この原稿を執筆しながら鮮明に思い出す。私の大学生活で、自分との対話は欠かせない。当然、大学生活や物事のすべてが順調に進むことはない。今も私は自分探しの真最中であり、自分に対して迷いや悔しさ、憤りを感じることは何度もある。日向と影の様に、前進することは、常に目に見えない恐怖が隣合わせだ。しかし、それが挑戦であり、道を切り拓くことではないだろうか。不安になれば、来た道を戻ることで、起点を確かめることができる。

また、温かく人情のあつい友人に巡り合うことができ、彼らに囲まれて過ごす時間は、当たり前の様で、学生である今だからこそ、得ることができる掛替えのない時間だ。同時に、毎日彼らと切磋琢磨できる環境にも感謝している。


起点があり、目標があり、出逢いがあり、試行錯誤しながらも、自分を見つめ、変化し続ける。同じ日は、一日としてない。そんな大学生活が私は好きだ。
明日はどんな一日になるのだろう、今年はどんな一年になるのだろう。そんなことを考えながら、今日も私は前を向いて並木道を心強く歩く。