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国際ワークショップ「ドストエフスキー:人間論の原理」が開催されました



2023年2月21日(火)に名古屋外国語大学名駅キャンパスで国際ワークショップ「ドストエフスキー:人間論の原理」が開催されました。このワークショップは、科研費基盤研究B「危機と再生のヴィジョン:ドストエフスキー文学の世界性を巡る地域的研究」(代表者・亀山郁夫)の支援により実現しました。
本ワークショップは、ロシアのドストエフスキー研究者であるヴラジーミル・ザハーロフ氏(元国際ドストエフスキー協会会長、ペトロザヴォーツク大学教授)を招き、聴衆はオンライン、主催者・発表者のみ対面のハイフレックス形式で行われました。
使用言語はザハーロフ氏はロシア語、他の参加者は日本語でしたが、ロシア語については日本語訳を用意し、必要に応じて参加者が聴衆に向けて通訳をしました。主な聴衆は日本ドストエフスキー協会の会員や、日本ロシア文学会の会員、ロシアのザハーロフ氏の教え子の方々で、登録者数は百名を超えました。越野剛氏(慶應義塾大学)が司会を務め、会場からの質問のみ口頭で、聴衆からの質問はZoomのチャット機能を活用しました。

ドストエフスキー 人間論の原理 チラシ

冒頭で日本ドストエフスキー協会会長の亀山郁夫氏(名古屋外国語大学学長)が開会の挨拶を述べられ、第1部としてザハーロフ氏による基調講演「人間の中の人間と小説の中の人間」を行いました。ザハーロフ氏はロシア語で原稿を読み上げ、聴衆には画面共有で日本語訳を共有しました。その後コメンテーターの越野剛氏と木寺律子氏(京都産業大学)によるコメントとザハーロフ氏による回答がありました。
第2部は「多様なドストエフスキー」と題し、日本語で4名が報告を行い、質疑応答と、予め用意されていたロシア語訳をもとに、ザハーロフ氏からコメントを頂きました。報告は、町田航大(早稲田大学大学院生)「ドストエフスキーとゴーリキー:ヨブ記が示す思想的共鳴」、齋須直人(名古屋外国語大学)「トゥルゲーネフの詩『花』とドストエフスキーの中編『白夜』」、桜井厚二(早稲田大学)「1972年の『悪霊』:日本のメディアにおける一つの伝説」、望月哲男(中央学院大学)「謝罪と許しの形:アクーリカとナスターシャ」でした。第3部ではフリーセッションとして参加者全員で自由な議論を行いました。全体して活発なやり取りがあり、盛況でした。
2023年8月には、本学の名駅キャンパスで、ドストエフスキー研究では最大規模の学会である国際ドストエフスキー協会の世界大会が行われることになっています。そのための準備という意味でも、今回のワークショップは有意義なものでした。