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7月8日「第2回 WLAC Students セミナー」



「黙過」をテーマとして、亀山学長からお話を伺いました。

セミナー概要

 創造経済の時代、高次元のものだけを人間がすることにより、物事の効率は格段に上がった。しかし、簡単な作業を機械に任せると言っても、創作の主の線引きは現に難しくなっている。
 グローバル社会による人間、情報、資本のボーダレスの移動が可能な今、国家形態は大きく変貌している。その中で、今世界で注目される事象の見解を自身の視点から説明した。
 今の社会では感性が物質化している。つまり、他者への批判が消えてきている。反知性主義的な社会風潮を今、全世界が有している。無関心なら、なぜ無関心なのかを考えること。思考を続けることは人間が生きていくうえで不可欠なものである。
また、知性の劣化は感情の劣化にもつながる。表出ではなく表現することが大切だ。自分自身とその感情を理論的な言葉で伝えるために必要な表現力、豊かな経験、感性と創造力はみな教養からきている。
 教養人は知識だけでなく、知的経験や感情的経験を持つ。教養は信頼の絆であり、共生社会で共有される芸術は地域を超えた美的経験である。それらは個々に無意識に存在する見えざる排外主義の克服にもつながる。
世界で最も多く使われている英語は、世界を支配する力がある。英語を母語としない者は英語力を高め、その支配に対抗する力が必要であり、その一方、英語を母語とする者は他国語を尊重することも大切である。
ニュースを見てただそれを事実に終わらせることは、機械的な人間である証拠であり、恐ろしいことである。本や映画などに描かれる人間ドラマに多く触れることで共感力を育てることが大切である。だが、ポスト真実時代である今、相手が嘘をついたかどうかを判断できる冷静な思考力も必要である。
また、衝撃的な事件の報道を見たとき、私たちは実は皆それぞれ黙過をしている。誰もが自身の持つ傷(トラウマ)を他人の不幸で癒している。現実社会の出来事だけでなく、絵画や小説などのフィクションにも、人間は常に他の不幸を無意識に求めているのである。
(外国語学部フランス語学科1年 渠 適)
講座名 第2回 WLAC Students セミナー
ゲスト 亀山 郁夫(本学学長)
日時 2017年(平成29年)7月8日(土) 15:00~
会場 215教室
対象 WLAC Students 登録者(本講座は、学外の方や登録していない学生は対象となりません)
問合せ先 名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンター 0561-75-2164