自己点検・評価

自己点検・評価インデックス>> 第5章第1節 2.国際経営学部 (1)教員組織

教育研究のための人的体制

第1節 学部における教育研究のための人的体制

2.国際経営学部 (1)教員組織

1)教員組織
 すでに、「第3章 教育研究の内容・方法と条件整備」において述べたように、平成6年に設置された国際経営学部国際経営学科は、グローバル化の進展に伴い、英語を中心とする高度なコミュニケーション能力を持ち、しかも国際社会とりわけ国際的なビジネス環境において活躍できる人材の育成を目的としている。もちろん、こうした目的にかなう人材であるためには、さらには、世界各地域の事情と異文化を背景とする他者を深く理解する力を有していなければならない。本学部の教育課程は、一般教養科目としての共通科目に加え、こうした、真に国際的な感覚を持ち国際社会において活躍できる人材を育成するために、英語科目とビジネス関係の専門科目のみならず、国際関係にかかわる科目や世界各地域を研究する科目、さらに、少人数クラスで、専門研究方法の習得のみならず、他者との相互理解の方法の習得をもめざすゼミナール科目などを設置している。

 本学部の定員は各学年200名であり、実際の受け入れ学生数はほぼ例年250名前後となっている。
1)教員組織
 他方、上述の理念・目的を実現するための教員数は、国際経営学科全体で教授19名、助教授7名の計26名で構成されている。本学部の教育課程は、英語教育の上に、国際経営、国際会計、国際関係という3コース制をとっているが、それぞれの分野ごとの教員配置を記せば、以下の表のようになる。

専任教員配置状況
  教授 助教授 客員講師等
英語教育 1 6 7 14
国際経営コース 9 0 0 9
国際会計コース 3 0 0 3
国際関係コース 6 1 0 7
19 7 7 33

 英語教育担当教員が、本学部の、国際的に活躍できる人材の育成という教育理念の実現のための英語コミュニケーション能力の育成にたずさわり、各コース担当教員が、自らの専門領域にかかわる講義科目を担当するとともに、1年次からの基礎ゼミナール、英書講読ゼミナール、専門ゼミナールを担当することによって、少人数教育に基づいた専門的能力の育成という本学部の教育目標の実現にたずさわっていると言える。その意味では、本学部の教員配置は概ね適切である。

 次に専任教員数と学生数との関係は下表のようになっている。
年度 専任教員数 在籍学生数 教員一人当たり学生数
平成14年度(2002年度) 26 1046 40.2

 近年の学生数・教員数とも大きな変動はないから、ほぼこの教員一人当たり学生数は40人前後で推移しているといってよい。これは妥当な数字であろう。しかも本表には表われていないが、専任教員が担当している上述のように、ゼミナール科目は1年次の基礎ゼミナールから専門ゼミナールに至るまで、多くても20名前後に抑えられており、とくに3・4年次の専門ゼミナールはこれまで16名程度を上限とすることによって、教員と学生の間に密接な関係を築くことに成功してきた。専任教員は設置基準を12名上回っており、さらに客員教員、ランゲージチューターを加えれば、本学部の数的な教員配置は適切であるといえよう。
2)専任教員の年齢構成
次に上記教員組織の年齢構成を示すと下表のようになる。
年齢 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代
人 員 2 9 5 6 4

 60歳代以上の教員がやや多いのは、本学部がようやく設立10年を迎える新しい学部であり、設立時の教員がそのまま継続して教育を行っているという事情によるものである。今後、新設される現代国際学部での教育を考えるならば、若手教員の採用が望まれるところである。
3)開設授業科目における専兼比率
 本学部の平成15年度1期授業科目の専兼比率は下表のようになっている。

 必修科目については専任教員が担当する科目数が兼任教員のそれの1.9倍に上り、選択必修科目においては兼任教員の担当科目数が上回っているものの、全体としては適正であるといえよう。とりわけ、国際経営学部教育の要の科目系列の一つであるゼミナール科目はすべて専任教員が担当しており、その意味では専任教員が責任をもって本学部学生の教育に当るという体制は整っているといってよい。

科目系列   必修科目 選択必修科目 選択科目 全開設授業科目
ゼミナール科目・専門科目 専任担当科目数(A) 105 17 35 157
兼任担当科目数(B) 55 21 19 95
担当科目における専兼比率(A/B) 1.9 0.8 1.8 1.7
4)教育課程編成の目的を実現するための教員間の連絡調整
 本学部では、学部の教育目標を具体的に実現するための組織としてまず、学部教務委員会を設置している。この委員会は、学部長指名の教務委員長、各コース教員1名、英語教育チームから日本人教員1名・ネイティブ教員1名、計6名で構成されている。英語教育チームから日本人とネイティブの2名の教員が出ているのは、他の兼任教員を含めたネイティブ教員に必要な情報を伝えるためである。毎月1回、教務上の諸問題を審議決定するための定例教務委員会が開かれるが、これには、教務担当事務職員として教務課長と教務課員1名の計2名が出席している。

 また、学部教務委員会の上部委員会として、全学教務委員会があり、全学の教務部長が主宰する委員会会議が必要に応じて開かれ、教務事項で全学的な検討・調整を必要とするものが議題としてあげられる。

 学部レベルでは、さらに、教務上の諸問題を含めた学部の諸問題を話し合い、学部としての方針を定めるために、本学部では学部運営委員会を設置している。学部長、英語教育主任、各コース主任、全学評議会委員、および教務委員長から成っており、ここで教務委員会で議論された教務上の問題のうち、とりわけ重要なものが検討され、教授会に諮られることとなっている。重要な教務事項はすべて学部教授会に諮られ、そこでの審議を経て、学部決定がなされる。

 こうした形で、カリキュラム関係の重要な事項はすべて学部のすべての教員に連絡され、周知徹底する体制をとっている。

 しかし、この体制に問題がないわけではない。

 教務委員会・学部運営委員会では諸問題について具体的に議論がなされるが、この内容が、他の教員に周知徹底されるシステムとして正式にあるのは教授会だけである。したがって、教授会において初めて議論の内容を知る教員がいることも事実である。教授会以前に、問題となっている事項を知り、それについて意見を述べることがすべての教員に可能となっているわけではないのである。教務委員会・学部運営委員会とも各コース、英語教育チームの代表者が出てはいるが、それを持ち帰って、英語教育チームを除けば、各コースで検討するシステムが確立していないのである。英語教育チームに関しては定期的に(毎週あるいは隔週)ミーティングが行われ、そこで英語教育に関するさまざまな問題が話し合われている。しかし国際経営コース、国際会計コース、国際関係コースについては、コース会議は定例化されていない。必要事項がある場合にのみ開かれるため、教務事項の伝達が恒常化していないのである。

 この問題については、新設の現代国際学部では2学科制となるので、解消されると思われる。すなわち、学科会議が定例化されるため、そこで教務事項の検討が可能となるからである。