自己点検・評価

自己点検・評価インデックス>>第3章第2節(14)履修指導

教育研究の内容・方法と条件整備

第2節 国際経営学部

(14)履修指導

1) 学生に対する履修指導の適切性
 各学期開始期に各学年に対し履修ガイダンスを行なうが、その際、教務委員がカリキュラム内容について説明をし、履修の指導をしている。また質問がある場合にも教務委員が対応する体制をとっている。即ち、教員が責任をもって履修指導を行う体制を本学部ではとっている。

 こうした教務委員による履修指導に加え、本学部では各学年次に科目としてあるゼミナール科目の担当教員がクラスアドバイザーを兼ねており、個別にはこのクラスアドバイザーも履修指導を行うことになっている。

 留年学生に対しては学年当初に該当する学生を集め教務委員長が履修指導を行っている。
教職課程に関しては、本学部学生も入学時にはかなりの学生が教員免許状取得を希望しているが、教務課で行う教職課程ガイダンスでの説明に履修指導を委ねているのが現状である。

 こうした本学部の履修指導体制は形としては整っているといって良い。しかし、現実にこうした体制に基づく指導で果たしてカリキュラムを学生が完全に理解するところまでいっているかという点にはやや疑問が残る。学期当初のガイダンスでは時間が限られており、学生のカリキュラム理解のためにガイダンス時に教務委員が質問に答えるという形をとり、更に質問票を配布したこともあったが、この質問票による質問は殆んどなかった。ガイダンス終了後は、学生が教務委員の存在を知らないことも多く、教務課に質問に行くことが多い。

 教職課程については、本学部学生が実際に教員免許状を取得したのは数例にとどまっているため、教員側自身の理解がいまだ十分とはいえない。

 履修指導をさらに円滑に行うために、学生に対し教務委員の存在を周知徹底させ、学生が履修に関する質問を教務課にだけでなく、教務委員に対しても随時行えるような仕組みを考える必要があるだろう。例えば、教務委員による、履修質問コーナーをガイダンス期間常設しておくことなどが考えられる。
2)オフィスアワーの制度化の状況とその問題点・改善の方策
 本学部では、各教員が週1講時分をオフィスアワーとして当て、研究室で学生への助言指導を行うこととなっている。しかし、本学部のオフィスアワー制度には大きな問題がある。

 まず、制度的そもそもに無理がある。即ち、オフィスアワーは教員側の時間割上の都合によって設定されているので、学生の都合によっているのではない。平日の何時間目と決めていても、その講時に授業が入って教員を訪れることが不可能な学生にとっては全く無意味である。 こうした矛盾を放置したままで制度としてのみ設けられているためか、オフィスアワーに学生がどの程度助言指導を受けるために訪れているか、具体的な検証もなされていない。

 そうした矛盾の反映か、各教員は必ずオフィスアワーには研究室に常駐し、学生への助言指導を行うこととなっているが、実際には、学生はオフィスアワーを知らないまま、それに関係なく研究室を訪れることが多い。また学生が各教員のオフィスアワーの曜日・講時を知る手段は時間割表を見ることしかないのが現状である。教員によっては、研究室のドアに自らの講義講時・オフィスアワーの講時を掲示している場合もあるが、学部として統一して行っているわけではない。そのため、ガイダンス時にはオフィスアワーを意識していた学生も、その後は知らないまま研究室を訪れるようになっている。

 オフィスアワーを知らないまま学生が随時研究室を訪れるということは必ずしも悪いことではない。学生と教員の距離がそれだけ近いことでもあるからである。他方、オフィスアワーという制度自体が学生に周知徹底していないため、学生が助言指導を求める教員がゼミの教員に限られるという問題がある。ゼミナール制度によって学生と教員との距離が近くなっているのは本学部の特長といえるが、しかしその反面、教員の専門分野に即した質問をするという意識が学生に薄れてしまっている恐れもある。全ての質問をゼミ教員だけに向けるという、ゼミナール教員による一種の囲い込み現象が起きているともいえるのである。

 ともあれ、オフィスアワー制度が存在していることをもって学生指導が円滑に行われているかのように考えるのは、極論すれば、教員の自己満足にすぎない。具体的にオフィスアワーが何故機能しないかを今後は検討し、ゼミナール教員による囲い込みではなく、ゼミナール教員の助言指導に基づいて他の教員にも学生が積極的に助言指導を求め訪れることができるよう、学生への周知徹底の手段の実現(たとえば常時オフィスアワーの講時を掲示しておく)などが必要となるだろう。また教員の空き時間ではなく、学生の空き時間(具体的には放課後)にオフィスアワーを設定することはできないのか、などの検討も必要だと考えられる。
3)留年者に対する教育上の配慮─現状と課題
 本学部では留年者、特に多年留年者を集め、履修指導を年度初めに教務委員長が行うことになっている。留年によって学習意欲を喪失し、また大学から見放されているという感を持つ学生もいるので、個別に学生の履修状況を把握した上で、履修指導を行うことにしている。

 この教務委員長による留年者履修指導は制度として定着しているわけではないが、近年では毎年行っている。但し、この結果、個々の学生が大学への親近感を取り戻し、学習を意欲的に行うようになったか、或いは退学を取りやめたかについては数量的な検討は行われていない。

 留年者に対する履修指導は以上のような形で行っているが、しかし留年予防については、それへの対応は必ずしも十分とはいえない。取り分けCE、ゼミナール科目での多欠席者を前もってチェックし、早めに該当学生に対応する体制が制度としては設けられていないのが現状である。従って、今後は留年予防の方策が検討されねばならないだろう。取り分け最近では学生同士の人間関係のトラブルで心理的なプレッシャーを感じ、登校意欲を喪失する学生も増えてきているため、学生部・学生相談室・保健室との連携を密にし、学生の動向把握に努めることが必要となろう。

 なお、退学者の問題について重要な課題であり、退学事由が鑑みて、まずは学生としっかり話し合い、安易に認めるのではなく、退学回避に向けて多様な解決方法を共に考え、努力する必要がある。なお、国際経営学部の2000年度(平成12年度)から2002年度(平成14年度)の3年間における退学者数は以下の表(別表11)の通りである。

別表11 国際経営学部退学者数(2000年度〜2002年度)
  2000年度(平成12年度) 2001年度(平成13年度) 2002年度(平成14年度)
学年 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4
退学者 5 9 6 9 4 8 2 5 5 3 2 8
合計 29 19 18

 この表からもわかるように2001年度、2002年度は2000年度に比べ、退学者数は10名、11名減少している。僅か3年間の数字であるから、確定的なことは何も言えない。不況は学費支払いの面などで学生が勉学を続けるのには不利な状況を生んでいるともいえるが、しかし、逆に不況であるからこそ、しっかり大学を卒業してできるだけ有利な条件で就職したいという意欲をもたらしているのかもしれない。近年における本学部の学生に対する教育指導(専門ゼミナールにおける教員の指導、教員による履修ガイダンス、後述のような学部長と専門ゼミナール代表者との懇談会、留学指導の徹底等)が効果を上げているとも受け取りたいが、しかしこれについても確定的なことは言えない。外国語学部との比較でいえば、この期間外国語学部における退学者は、2002年度が57名、2003年度が54名、2004年度が62名と、決して減少してはいない。但し、外国語学部においては留年者の除籍制度が存在するため、これも単純には言えない部分がある。即ち、学生が大学への帰属意識を失った結果退学した事例と、学科方針で除籍した事例とがあるからである。従って、もう少しさまざまな要素を考慮した上で、長期的にこの問題は検討し続けなければならないし、全国的な傾向も考慮に入れなければならないと思われる。