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2014年度


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過去に行われた学科行事をご紹介します。

4月3日、4日 フレッシュマンキャンプ

毎年恒例のフレッシュマン・キャンプが4月3日(木)・4日(金)、1泊2日の日程で行われました。今年の参加者は74名の新入生と11名の教職員でした。

初日はまず学科教員の紹介後、新入生による自己紹介、そしてフランスおよびフランス語にかかわるレクリエーションを行いました。
その後、夕食を取ったことで新入生同士の親睦も深まり、続いて行われた夜の部では本学科の卒業生1名本学科を経て本学大学院に在籍中の院生2名就職や留学に関する体験談を語ってもらい、大学生活だけでなく、今後の将来を考える上でとても役立つ具体的な話を聞くことができました。

翌日には短期海外研修や授業紹介など、学科ガイダンスを行い、二日間を通して学生同士だけでなく、学生と教員間でも交流も深めることができ、新たな一年をスタートさせる非常に良い機会となりました。

4月11日 AFAFA・本学科共催 フランス語圏文学者との出会

2014年4月11日(金) 18時30分~、 於:アリアンス・フランセーズ 本山校

【 演 題 】 : 「フランス語圏文学者との出会い Rencontre littéraire francophone」
【 講演者 】 : ティエルノ・モネネンボ ( Tierno Monénembo ) 氏
【 ゲスト  】 : 平野 啓一郎 氏


 1947年ギニア生まれのモネネンボ氏。小説『孤児達の長男』(2000)で国際的な注目を浴び、2008年『カヘルの王』でルノド賞を受賞。
 1975年愛知県生まれの平野氏。1999年『日蝕』により芥川賞受賞。2005年には文化庁文化大使としてフランスに滞在し、フランス国内で講演等を行う。
 本講演では、アフリカ・ギニアにおける諸民族の関係や現代アフリカ、および世界における知識人の役割、ならびに両作家による作品へのコメントを中心にお話をして頂きます。

 昨年に引き続き2回目となる、アリアンス・フランセーズ愛知フランス協会と本学の共催による講演会です。
 本学伊藤先生による通訳も予定されていますので、学生の皆さんはもちろんのこと、一般の方々のご来場もお待ちしております。

5月22日 講演会

2014年1期,フランス語学科主催講演会

【演 題】Globalisation et le Français 
      (グローバル社会とフランス語)
【講 師】クリストフ・ドレイエール氏(M. Christophe Dreyer)
      (アリアンス・フランセーズ愛知フランス協会館長)


 今年の講演会ではフランス語教育の専門家であり,アリアンス・フランセーズ愛知フランス協会館長でいらっしゃるクリストフ・ドレイエール氏をお招きして貴重なお話を伺いました。当日は学内他学科,他学部からの参加者のみならず,一般の方々の来聴もあり,盛会となりました。

 初めにドレイエール氏から小学校教諭を目指して勉学に励んでいた中で,外国語としてのフランス語教育(FLE = Français Langue Étrangère)と出会い,そこからFLEに強い関心を抱くようになり,以後、フランス語教育の更なる発展と促進のため,これまでにフランス,ヨルダン,台湾,中国,そして日本においてフランス語教育に携わって来た経歴が述べられました。

 続いて、「globalisation」という言葉に関連して、「L’Internationalisation(国際化)」「La Mondialisation(世界化,国際化)」「La Globalisation(グローバル化,全体化,統合化)」という三つの用語について,ケベックの社会学者の定義に基づいたそれぞれの定義が説明されました。また,「globalisation」が世界システムや全体的社会的事実にかかわるものであることを踏まえると,グローバル化,グローバル社会というものは今に始まったものではないことに気付かせてくださいました。ドレイエール氏は「Avant, les évènements qui se déroulaient dans le monde n’étaient pas liés entre eux, maintenant, ils sont tous interdépendant.(以前は世界で起きていた事は国家間で結びついていなかったが,今やすべてが相互依存関係にある)」という引用を紹介してくださったのですが,これは何と紀元前2世紀(!)に古代ギリシャの歴史家であり政治家でもあるポリュビオス(Polybe)によって述べられた一節だったのです。

 様々な出来事が世界中で結びついているということを念頭においてフランスを見てみると,フランスがヨーロッパの中央に位置していること,またそのヨーロッパが商業的に重要な位置にあること,更にはヨーロッパが現代の人的移動の主要な拠点の一つになっていることが,古代から中世,現代までの陸,海商業網等によって示されました。また、フランス語自体がラテン語,ガリア語,ギリシャ語,アラビア語など他にも多様な言語から影響を受けていることも,世界との結び付きを示す一つの証であると言及されていました。

ドレイエール氏と通訳の伊藤准教授

講演会の様子

 一方でグローバル化と文化の関係に着目してみると、歴史的には文化というものがガロ・ローマ時代の頃からとても重要視されてきたこと,またルイ14世が芸術を奨励、擁護していたことが述べられましたが,特筆すべきことは、グローバル化と言っても,フランスには新しいものや他国のものを取り入れつつ、一定の文化的,自国的価値を保護する法的措置や規則が存在するということでした。これは「exception culturelle(文化的例外)」「exception culturelle française(フランスの文化的例外)」という表現で示されるものですが、とりわけフランス革命後に自国の文化的価値を守ろうと努めてきた経緯が広く認められること、また1959年にフランスで文化省が設立されたこともその代表的な動きの一つであることが指摘されました。

 この他、アリアンス・フランセーズやアンスティチュ・フランセというフランス文化の発信だけでなくフランス語を学ぶことのできる様々な機関について、日本および世界のどこに、どれ程存在しているのかについての説明がありました。日本におけるこのような機関の最初の設立は1924年の日仏会館設立に遡りますが、以来、日本とフランスの交流は非常に多岐にわたっていること、またその日仏関係もとても良好であることが述べられました。文化的交流だけに限ることなく、実は産業、商業の分野においても古くから日仏間でさかんに交流がなされてきたことも、実在する企業や実話をもとにお話してくださいました。
 このように日仏間のみならず、人やモノが世界中に移動している現代社会であるからこそ、今の若者の前には多くの可能性が広がっていること、そして高いレベルのフランス語力が習得できれば、世界中のどこにいてもフランス語を活かした仕事に就くことは決して難しいことではない、との激励の言葉を講演の最後にかけていただきました。

 講演には本学科の1年生の姿もありましたが、本学科伊藤准教授の分かり易い逐次通訳のおかげで、うなずきながら話に聞き入っている姿が多くみられました。
最後になりましたが、この場をお借りして貴重なお時間を割いてご講演してくださったドレイエール氏に、学科一同、心から御礼申し上げます。

8月2日~25日 第7回夏期海外研修

Séjour linguistique à Bruxelles
 Après un départ depuis Nagoya et un changement à Francfort, le groupe composé de 11 étudiants et de leur accompagnateur est arrivé dans les meilleures conditions à Bruxelles. Depuis les vitres du bus de l’aéroport, ils ont sous un beau soleil, découvert un paysage très différent de ce qu’ils connaissaient au Japon. De grandes forêts, des maisons de briques et semblables à des châteaux se sont présentées à eux.

Après une bonne nuit de repos pour chasser le décalage horaire et un succulent petit-déjeuner, pas de temps à perdre ! Direction le centre de Bruxelles pour une visite à pied et en tramway des principaux monuments et quartiers de la ville…Tout en dégustant bien entendu, de délicieuses spécialités locales comme les gaufres. Le lendemain, les premiers cours étaient donnés par une équipe pédagogique disponible composée d’enseignants natifs et d’un professeur japonais.
Au cours de ce séjour, les étudiants ont non seulement pu améliorer leurs compétences en français grâce à des cours en relation avec les nombreuses visites qu’ils ont eu l’occasion d’entreprendre à travers la Belgique et les pays limitrophes, mais également utiliser ces compétences dans leur vie quotidienne. Passer commande au restaurant ou sympathiser avec les gens ne présente désormais plus de difficulté particulière ! De nombreux lieux ont été visités et grâce à ce stage, les étudiants en réalisant l’importance du français comme langue de communication ont vu leur motivation décuplée. Rendez-vous l’année prochaine !
概要(訳)
 今夏も11名の参加者とともにベルギー研修が行われ、ブリュッセルに到着後は休む間もなく市内を徒歩とトラムを利用して散策しました。翌日には、授業も始まりましたが、参加した学生は研修を通してフランス語に磨きをかけただけでなく普段の生活でフランス語を自信を持って使うことが出来るようになりました。また、この研修でコミュニケーション言語としてのフランス語の重要性を実感し、学習意欲もますます高まったようでした。

 なお本研修の実施にあたり、JASSO(日本学生支援機構)の平成26年度留学生交流支援制度(短期派遣)より奨学金をいただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。

10月14日 講演会

2014年2期,フランス語学科主催講演会

【演 題】絵画から読み解くロココの時代

      
【講 師】坂上 しのぶ 氏
      (ヤマザキマザック美術館学芸員)



 今年二回目となる学科主催の講演会では,フランス美術史上,非常に意義深く人間味溢れるロココ様式とロココ時代について,ヤマザキマザック美術館学芸員の坂上しのぶ氏をお招きして貴重なお話を伺いました。当日はフランス語学科に限らず,他学科からの参加者並びに一般の方々の来聴もあり,盛会となりました。

坂上しのぶ 講師

 ロココは,ルイ15世の治下,マリー・アントワネットやポンパドゥール夫人に代表される女性たちが輝いた1720年頃から1760年代末頃までが最盛期とされますが,ルイ16世が失脚する革命期頃まで西欧各地にも影響を与え続けました。
 ちょうどルイ15世の即位した1715年頃に描かれたとする,ジャン=アントワーヌ・ヴァトー(Jean-Antoine Watteau)による「夏の木陰」という作品の解釈を皮切りに講演が始まりましたが,全体を通して,ロココ様式を象徴する絵画等のスライド資料を見ながら,とても分かり易く説明してくださいました。講演の中で取り上げられた作品には著作権の問題がないことが確認されましたので,ここでもいくつか実際の作品を見ながら,少し振り返ってみたいと思います。
 この「夏の木陰」について,まず作者ヴァトーがロココ時代を代表するフランス人画家であり,それまでのバロック様式で表現されていた財力や権力などを誇示しない表現方法を用いる作家であること,また作品中に二つの異なる様式が同時に描かれていることが特徴の一つに挙げられるとの解説がありました。作品右手前の暗闇には,ルイ14世の時代に流行った,髪を高く盛り上げて結う髪型「フォンタンジュ・ヘア」の女性が二人描かれていますが,その一方で中央の焚火のあかりを受けた女性はルイ15世の時代に流行した髪型「ア・ラ・ポンパドゥール」で描かれている,というわけです(現代でもこれを語源として,前髪を大きく膨らませてピンなどで留めるヘアスタイルを「ポンパドール」と言いますね)。また,隣にはこの女性に言い寄っている男性が描かれているものの,女性が右手に扇を持っていることが実は「扇言葉」と言って,その口説きに嫌気が差していること,つまり男性のもくろみは失敗に終わることを意味しているとの解説もありました。

夏の木陰

犬と遊ぶ少女

アウロラとケファロス

 一作品を取り上げただけでも絵画から読み取ることができるものは非常にたくさんありますが,他にもジャン=バティスト・グルーズ(Jean-Baptiste Greuze)の「犬と遊ぶ少女」では,これまでならば着飾って描かれることが当然であった人物像が,この作品では粗末な肌着を身に付けて雑種のような子犬を抱いた少女が描かれている点に,当時の自然回帰を主張したルソーの啓蒙思想の影響を読み解けること,また,フランソワ・ブーシェ(François Boucher)の大作「アウロラとケファロス」では,ロココ絵画の特色の一つである神話が主題として描かれた作品であり,ルイ15世の愛妾だったポンパドゥール夫人が所有するベルヴュー城を飾っていたと伝わるものであるとのお話もありました(現在,ヤマザキマザック美術館所蔵)。このポンパドゥール夫人は,サロンを中心に女性たちが活躍していた当時,芸術家を優遇しながら彼らの才覚を政治に利用し,政治にうとかったルイ15世を影で操っていたとまで語り継がれている人物で,彼女が果たした役割はロココ時代を学ぶ上で計り知れないことも指摘されました。

 そもそもロココ様式とは左右非対称,流麗,繊細,優美さを特徴とするロカイユ文様が特徴的で,猫足,ロカイユ文様を取り入れたタペストリーや陶芸品,更には建築装飾も有名ですが,以上のような歴史的背景を基に,それまでの王権を主とした,厳格で宗教色の強かったイタリア発祥のバロックに対して,自然主義の影響を受けた,女性的で繊細なフランス生まれのものがロココであって,ロココこそが実はフランス芸術の素地になっているものなのだ,と坂上氏は続けてくださいました。
また,このフランス生まれのロココを美術・工芸品として意図的に海外へ輸出したことで,芸術の分野におけるそれまでのイタリアの絶対的地位が次第にフランスへ移りゆくことにつながったことにも言及され,日本では印象派に比べると比較的馴染みの薄いロココの重要性と面白さを説いてくださいました。更にロココでは,自然主義の影響を受けて,たがを外した人々を描くことが権力のたがを外すことにつながり,それが貴族の高級な習慣の低俗化をもたらし,貴族と民衆の距離が徐々に縮まっていった,そんな文化的,歴史的変遷もロココ時代の絵画が示してくれていることを教えてくださいました。
 坂上氏によると18世紀絵画は残存しているものが少ないとのことですが,海外や特にフランスからの来館者にはヤマザキマザック美術館所蔵の18世紀作品の数に驚かれると同時に喜ばれることが多いというお話も講演後に聞くことができました。美術館は本学への通学路上にもあたる,地下鉄東山線・新栄駅に直結という近くて便利なアクセス状況でもあるので,これからも学生には積極的に足を運んで,五感を用いて芸術,文化,歴史,そしてフランス,ヨーロッパ,更にはそこから日本を含めた世界を感じる大切さも学んで欲しいと思います。
 
 最後になりましたが,貴重なお時間を割いてご講演してくださった坂上氏に,この場をお借りして学科一同,心から御礼申し上げます。

第24回 セネットの会・弁論大会

 昨年に引き続き、2回目となるセネット(寸劇)の会を10月23日に行いました。1年生がこれまで学んできたフランス語力、主にフランス語の口頭表現力を披露する目的で昨年度より新しい試みとして設けられた学科イベントの一つです。
学生たちは少人数のグループに分かれて、教員から与えられたテーマをもとに自由に会話文を作り、発表までの数週間、練習に励みました。
当日は効果音を駆使したり、プロジェクターを利用したり、また仮装をして場を盛り上げる学生も大勢おり、大盛況に終わりました。
教員一同、学生たちのフランス語の表現力がわずか半年でセネットを演じられるほど身についたことにとても喜びを感じました。セネットの内容に応じて、教員が審査を行い、上位3チームには賞品が贈られました。
 なお、入賞した3チームは、後日行われた弁論大会で上級生に披露しました。



 約2週間後の11月6日(木)に、2014年度セネット・弁論大会を開催致しました。
審査員として「アリアンス・フランセーズ愛知」からマドレーヌ・ポティエ氏をお招きし、学内審査員にはローラン・アヌカン准教授(本学科)、武井由紀講師(本学科)、ジェローム・パク招聘講師(本学科)に審査をしていただきました。

 今年度の弁論の部には12名が参加し、この弁論大会では大学の留学制度を利用して留学をしてきた学生が、自身の体験談などについてフランス語でスピーチをします。帰国生は約2か月前から原稿の校正や発音、イントネーションについてネイティブスピーカーと練習を行い当日に備えます。
 今年の参加者は例年以上に個性溢れる内容のスピーチが多く、原稿の構成も多岐に渡り、聞き手にとって興味深いものだったとの良い評価が聞かれました。
 在学生は帰国生の実力に感銘を受けるとともに、またこれから留学を目指そうとする学生にとっては、より一層フランス語に取り組むモチベーションが上がったようでした。

第24回春期海外研修

例年通り、今年の春季研修もパリ日程から始まりました。三日間でパリ市内の観光地、ヴェルサイユ宮殿、ルーブル美術館などくまなく廻りました。ほとんどの研修生が、彼らにとって初めてとなるパリでの生活を満喫したようでした。

パリのノートルダム寺院にて

その後TGV(フランス新幹線)にて南仏ニースに移動、近くの地中海研修センター(CMEF)に滞在する3週間の研修をスタートさせました。今年は学科1年次生36名、2年次生1名の合計37名と研修生が例年より多く、各3グループに分かれての受講となりました。また提携校であるニース大学での授業も受講し、研修生たちは本格的な大学の雰囲気を味わうことができました。また、南フランスにある魅力的な中世の街やイタリアなどを訪れる変化に富んだエクスカーションもこの研修の醍醐味となったようです。

 またセンターに滞在している別の研修グループとの異文化交流会を今年は2回催しました。一度は自国の料理を振る舞うことに。またもう一度は自国を様々な観点から紹介とする機会としました。例えば、日本の四季、祭り、和食、スポーツ、伝統芸能、JPOPなど、研修生たちはパワーポイントを使ってフランス語で紹介しました。発表後にはDégustation(試食)の時間を設け、和食や和菓子、抹茶などを振る舞い、書道や折り紙を紹介した際には、イタリア、スペインなどから来ている研修生らと多いに盛り上がることができたようです。

 帰国後のアンケート調査では非常に充実した研修であったこと、こうした異文化体験は日本では到底できなかったこと、そしてフランス語習得への意識がますます高まったなどの積極的な声が多く聞かれました。
 今年1月に起きたパリでのテロ事件の影響で、日程や引率教員数の変更を余儀なくされましたが、ニース大学、研修センター、そして旅行会社のスタッフの皆さんのおかげで全日程を無事に過ごすことができました。心より感謝申し上げます。なお、本研修は日本学生支援機構(JASSO)の支援を受けています。