卒業生・小島裕治さんの記事が、中日新聞で紹介されました
両腕のない男性 正規教員に
(中日新聞 2007年12月26日 朝刊)

~ 足でつかんだ夢 西尾の小島さん 3度目の正直 ~
交通事故で両腕を失った愛知県尾西市中畑町の小島裕治さん(27)が県の教員採用試験に合格し、来年度に英語の正規教員としての第一歩を踏み出す。現在も非常勤講師として教壇に立つ小島さんは「夢がかなった。回り道をしながら、ようやく立てたスタート地点。不安もあるが楽しみ」と心境を語った。
小島さんは4歳の時の事故で両腕を切断。以来、足を手の代わりにして生活してきた。教師を志したきっかけは、名古屋外語大生だった時のニュージーランド短期留学。現地の学校で足で字を書く姿を披露すると驚かれ「人に影響を与える仕事がしたい。生徒の前で教えたい」との思いが膨らんだ。
「いろんなことをあきらめた。でも、どうしてもあきらめ切れなかったのが教師」。採用試験では過去2回、1次試験も通らず、「両腕のハンディで採用されないのかな」と別の職に就くことも考えた。しかし父親の「焦らんでいいよ」との言葉に後押しされ、語学力を磨き、公演の数を重ねて人前で話す自信もつけた。
今年4月からは同県安城市の安城北中(森本末男校長)で週4日計12コマの英語の授業を受け持ってきた。杉浦博之教頭は「生徒は児島さんの様子を見て『心配することないんだ』と打ち解けていった。生徒や周囲が『自分はできることをやってない』と気づかされる」と話す。
パソコンとプロジェクターを使い、授業内容は何ら遜色(そんしょく)ない。さらに「現場に立って、いろんな可能性が発見できた」という小島さん。黒板に字は書けないと思っていたが、いすの高さを工夫すれば、足でチョークを持ち、板書もできた。
正規職員になれば、担任や部活、生活指導などの仕事も任されることに。生徒には自分の姿を見せることで、チャレンジ精神を伝えていくつもりだ。
愛知県教育委員会によると、県内でこれまでに両腕を失った人が公立中学の正規教員になった例はなく、小島さんが初めて。全国では、今年4月から、スポーツライターで両腕両足のない乙武洋匡(おとたけ・ひろただ)さんが任期つきの正規教員として東京杉並区の小学校に勤務している。
(中日新聞社許諾済)


