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10月15日「ホワイトホースシアター来日公演 ロミオとジュリエット」を開催しました



 10月15日(土)英語学習者を対象とした、訪問型英語劇団 ホワイトホースシアターによる、「ロミオとジュリエット」の上演を行いました。
 ホワイトホースシアターは、英語学習者をオーディエンスとして英語劇を上演する、訪問型の劇団です。

 イギリスの演劇学校出身の若い役者たちによる、全編英語による演劇を、観客80名が真剣な面持ちで観劇しました。今回の演目はシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」で、4人に劇団員が何役も演じ分けることでその世界が表現されていました。学生はもちろん、一般の方も数多くご参加いただき、演劇が終了すると大きな拍手が送られました。
 講演後には、役者の方々にQ&A セッションのお時間をいただきました。本学教員や英語や演劇を学ぶ学生から質問があり、演劇で話されていた英語についてなど、積極的にお答えいただきました。

参加した学生より

「ロミオとジュリエット」を観劇して  (現代英語学科4年 塩澤慎史)

 「旅をする劇団」。訪問型劇団と聞いて、そんな言葉が頭に浮かんだ。馬車で移動し、テントを張り、思うままに歌い、踊り、劇をする。昔話にでも出てきそうな響きに、胸が高まった。「訪問型劇団・ホワイトホースシアター」の劇団員たちが名古屋外国語大学にやって来た。
 2016年10月15日、コミュニケーションプラザを訪れたのは、たった四人の劇団員だった。ここで「ロミオとジュリエット」を上演するという。普段は学生達がひしめくこの場所で、演劇が行われるなど想像も出来なかった。舞台セットは、数枚のつい立と様々な色で鮮やかにペイントされた大きな一枚布。それらを背景として立て並べたのみで、ステージはなく、どこまでもシンプルだった。
 準備も終わり、徐々に会場に観客が集い始めた。役者たちは舞台裏で、小道具の確認や台本チェック、声出しなどを行っていた。もし自分が、舞台が幕を開けるまでの長く静かな時間の渦中にいたらと想像し、体が冷たくなっていくのを感じた。しかし、彼らは時折こちらに笑顔を見せ、冗談を言い合ったりするなど、常に自由さを持ち合わせていた。彼らがいくつもの場数を踏んできた事を目の当たりにした瞬間だった 。開演時間を迎え、彼らの「ロミオとジュリエット」が始まった。
 ロミオとジュリエットと言えば、ミュージカルのような壮大なセットやオーケストラ、魅力的な衣装が無ければ出来ないものだと思っていた。しかし彼らは、音響、衣装、小道具など全てを四人だけでまかなえるように、とことんシンプルさを追求していた。設備の整った立派な舞台があるかないかなど、彼らにとっては関係ないようであった。体一つさえあれば演劇はどこでも出来るのだと、改めて演劇の持つ可能性に魅せられた。
 今回の公演は、私たちドラマ英語教育ゼミに所属する学生にとって非常に意義のあるものだった。私たちは三年の十二月に、同じシェイクスピア作品である「真夏の夜の夢」を製作上演した。演劇初心者ばかりで一から舞台を作り上げたということもあり、自分たちなりに演劇を作り上げていく大変さは理解していた。どれだけ理想があったとしても、人数や設備、技術力などの制約で、思い通りにいかない事はいくらでもある。全てを創り上げることなど出来ないため、時には捨てる覚悟も必要だった。何を残し、何を伝えたいのか、常に模索し続ける日々だった。だからこそ、派手さはなくシンプルに見えたとしても、伝えたいことを出来る限り劇に込め、表現していたホワイトホースシアターの演劇に感動したのだと思う。
 今回私たちが得たものは、シェイクスピアの作品という文学的に価値の高いものに触れたという貴重さだけではなかった。世界を回って演劇をする、彼らの立ち振る舞いからも多くの学びを吸収できたと言える。

「ロミオとジュリエット」を観劇して   (現代英語学科4年 仲里海)

 演劇を披露するために世界各地を飛び回っている劇団。ついに名古屋外国語大学に来ていただけるということで、ゼミの担当教員であるムーディ美穂先生とゼミ生で会場をどのように設営していくか、当日のオーガナイズはどれだけ効率よく機能できるようにするのか、などについて約一週間かけて構想した。
 当日朝早く集まり、スピーカーと更衣する場と観客席のみ設置し、質素と言われればそれまでだが、コミュニケーションプラザには「劇場」が作られた。質素とはいえ、1500年代、シェイクスピアが生きていた頃の演劇は、屋外で行われることが普通で、ましてや様々な地域を巡回する劇団は十分なステージなどなかったのだ。せっかく来ていただくのなら、講義室を借りて盛大にやるのもひとつの方法ではあったが、その時代の「味」を現代にできるだけ再現することも意義のあることであったと思う。
 ホワイトホースシアターの演劇は素晴らしかった。世界を巡る中で得た経験や実力で、私たちが作った「質素」なステージも見事に「味」がでるものとなった。
 ムーディゼミでは毎年12月にオーラルコミュニケーションフェスティバルにて演劇を披露している。私たち4年の代はシェイクスピアの "A Midsummer Night's Dream" を披露した。今回ホワイトホースシアターが演じたものもシェイクスピアであっただけに、劇が終わった後には自然と笑みが溢れ、勝手に親近感が湧いていた。
 ティボルトを演じた役者に、シェイクスピアの演劇をした経験があることを伝えると、彼も打ち解けてくれた。撤去も終わり彼らが大学を去る時、イギリス文化にもっと触れて欲しいと私に一枚のCDをくれた。今でもそれを時々聴いて彼らを思い出す時がある。
 私たちゼミ生がオーガナイズをして、最後にはシェイクスピアと繋がって仲良くなれたのも何かの縁であるに違いないと感じた。ホワイトホースシアターが名古屋外国語大学に残していったものは演劇の素晴らしさだけではない。

イベント概要

開 催 主 催: 名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンター 
期 日 2016年(平成28年)10月15日(土)13:30~
会 場 名 称: 名古屋外国語大学コミュニケーションプラザ1階
所在地: 〒470-0197 愛知県日進市岩崎町竹ノ山57
会場へのアクセスについて(専用バス・シャトルバスの時刻表もご確認いただけます。)
対 象 名古屋外国語大学/名古屋学芸大学の学生・教職員、一般市民など。

下記リンクより、チラシをご覧いただけます。

お問合せ 名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンター
 wlac_gg@nufs.ac.jp
 0561-75-2164(直通)