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名古屋外国語大学出版会の設立に際して



名古屋外国語大学出版会の設立にあたって

名古屋外国語大学出版会編集長 諫早勇一
媒体による「出版」が変化の波に揺すぶられている今、新たな大学出版会の船出はかならずしも視界良好とはいえないでしょう。名古屋外国語大学は、全国的にはまだ知名度が高いとはいえませんが、積極的な学園運営によって、教育に関して着実な成果を挙げているだけでなく、多彩な人材を擁して、研究面でも目に見える実績を残しつつあります。

そのような私たちの大学の持つ長所を積極的に発信して社会の発展に貢献できないか、それが今回名古屋外国語大学出版会を設立した大きな理由です。在学中に英語力を大幅に向上させるだけでなく、さらにもう一つの言語の習得をめざす試みのためには、新たな教科書・参考書作りが不可欠でしょうし、国際社会で貴重な実戦経験を積まれた先生方の執筆される図書は、世界に目を開く手がかりになるはずです。さらに、新たな「教養」の概念で書かれた啓蒙書、ブックレットなど、私たちは大学の知を結集して、すぐれた出版物を世に出したいと願っています。誕生したばかりの出版会の今後の活動に、どうぞご期待ください。

NUFS Press号の船出にあたって

名古屋外国語大学出版会 会長 亀山 郁夫
University Press は今や花盛りです。日本の出版界全体の方向性を見渡せば、むろん右下がりの状況にあることは否定すべくもありませんが、大学出版会は着実に成長しつづけているようです。東京大学、名古屋大学の二つの巨人出版会を筆頭に、個々の地方国立大学、私立大学が今や意欲的に出版事業に取り組んでいます。かつて東京大学出版会から出た『知の技法』が、一大ベストセラーとなったことは、今もって大学出版会の歴史における奇跡の一つとして語り継がれています。しかし、初めから大きな成功を期待しているわけではありませんし、大それた野心を抱いているわけでもありません。ただし、それなりに夢はあり、その夢の実現に向かって一歩一歩着実な歩みを続けてほしいと念じています。そしてその夢を語る前に大切なのが、やはりサステナビリティ(持続可能性)という視点です。どこまで着実にこの事業を推進し、持続していけるか。といっても、サステナビリティの視点ばかり考え、目先の売れ行きばかりを考えるようになっては、大学出版会の本来の役目を果たすことはできません。出版会の存在は、大学のもてる知的リソースを世に知らしめるよい機会ですから、時には思い切った冒険を試みていただけると幸いです。

今回、出版会の設立を決断し、”NUFS Next 2017”の項目の一つとしてそれを書き込んだ背景には、何より名古屋外国語大学の知的なリソースを発掘したいという願いがありました。本学はいまや中部地区を代表する国際系大学として熱い注目を浴びていますが、研究発信力という側面ではまだまだ立ち遅れている観があります。力がない、というのではなくて、発信の場がないというのが実感です。本出版会の設立によって、本学が外国語教育のみならず教養教育さらには研究面においても着実に歩み続けている大学であることをアピールしていきたいと念じております。編集長に就任された付属図書館長の諫早勇一先生のリーダーシップのもと、本出版会が大いなる可能性の海に向けて無事、船出されんことを心から願ってやみません。