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在外公館派遣員(カメルーン)


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2009年度 卒業
2011年度 本学大学院フランス語コミュニケーションコース 卒業:K.K.さん

毎日異文化に触れて働いているK.K. さんの『カメルーン紀行』を掲載していきます!
是非ご覧下さい!

ECRANS NOIRS

去年の映画祭の様子

No.4. 2013年5月20日
素敵な日々を送るためにも、そして日々の疲れやストレスを発散するためにも娯楽は大切な要素のひとつです。海外で生活するとなれば、日本のようなカラオケやボーリングといった娯楽はほとんどなく、そういった娯楽がないことに不満を感じることがあるかもしれません。
カメルーンの首都ヤウンデも娯楽施設が限られているため、単調な日々にストレスを感じることがありますが、現在ヤウンデではECRANS NOIRSという映画祭を開催中です。この催しは主にカメルーンやガボンといった中部アフリカの映画をフランス文化センターや野外会場等の市内各所で1週間上映します。今年度は6月29日にオープニングセレモニーが行われ、7月6日にクロージングセレモニーが行われます。クロージングセレモニーでは優秀作品に賞が贈られます。
 
昨年私も市内各所で映画を拝見しましたが、その国の問題に焦点を当てたドキュメンタリー映画があり、またカメルーンの学生が撮影した短編映画もあり、アフリカの恋愛映画もあり、ジャンルは様々でした。

カメルーンの首都ヤウンデには以前映画館があったようですが、今はなくなってしまいました。現在カメルーンの一般の人々にとって大スクリーンで自国の映画に接する機会はこの映画祭くらいでしょう。去年訪れた野外スクリーン会場では、多くのカメルーン人が映画に見入り、笑い、そして主人公の言うセリフに共感していました。
 
カメルーンの人たちは映画を見るとき、野外であっても、室内会場であっても自分が共感したり、違うと思ったことはストレートに画面に叫んだり、拍手をしたりします。時には映画の登場人物に「早く彼女を追いかけろ!」とせかしたり、「その通りだ!」と叫んだりしています。その行為に文句を言う人はほとんどいなく、むしろその人の言ったことが正しいと感じた場合は、「そうだそうだ!」と叫んだりします。

ただ静かに映画鑑賞をするのもいいですが、このように賑やかに映画を観るというのもまた一興です。

カメルーンのコーヒー工場見学

No.3 2013年5月20日
3月、4月は会計年度末、会計年度初めということで仕事も山のように降ってきて大変でした。そんな大変な時に疲れや眠気を吹き飛ばしてくれるのがコーヒーです。カメルーンにはいくつかコーヒーメーカーがありますが、今回はその中でもUCCAOというコーヒーメーカーの工場見学に行ってきました。
UCCAOとはUnion Centrale des sociétés Coopératives Agricoles de l'Ouest(西部農業協同組合中央連盟)の略です。会社は首都ヤウンデから車で約4時間のところに位置するカメルーン西部の街Bafoussam(バフサム)にあります。
コーヒー工場見学は担当者に導かれて始まりましたが、工場は物静かで、機器は動いていませんでした。担当者に聞くと、現在は工場を10人で動かしており、機器の稼働時間も制限されているということでした。続けて担当者は、1980年代はカメルーンのコーヒー市場はこの会社がほぼ独占状態で、工場も約150人体制で24時間稼働していたと昔を懐かしんでいました。
見学ではコーヒー工場の設備とその機能について懇切丁寧に工場の人たちが教えてくれ、またアラビカ種、ロブスタ種といったコーヒー豆の種類を工場の人から学びました。その上でUCCAOではアラビカ種100%使用のコーヒーと、アラビカ種70%とロブスタ種30%をブレンドしたコーヒーを作っていることを教わりました。
見学後にはその2つのコーヒーを試飲させていただきましたが、どちらもおいしく、見学と旅の疲れを癒してくれるものでした。

カメルーン紀行 ~ イエローカード

No.2 2012年10月23日
『野口英世』と言う名を一度は聞いたことがあると思います。現在日本の1000円札に描かれている肖像画の人物のことです。野口英世は明治6年に生まれ、梅毒や黄熱病の研究で数々の功績を残しました。しかし残念なことに野口英世は黄熱病の研究中に自らも感染し、1928年アフリカのガーナにおいて51歳の若さで命を落としました。 
野口英世が生涯を捧げて研究した黄熱病は、熱帯アフリカ及び中南米にみられる風土病で、私の働いているカメルーンでも黄熱病の感染の危険はあります。しかしながら現在では黄熱病は生ワクチンを接種することで予防することが可能だとされています。そのため、カメルーンへ入国する際には、この黄熱病の予防接種を受けたことを証明するイエローカード」というものが必要となります
みなさんがアメリカやフランス等の国々へ入国する際は、基本的にパスポートさえあれば入国することは可能です。しかしカメルーンにおいては、空港のパスポートコントロールにたどり着く前にイエローカードのチェックがあり、そこでイエローカードを所持していなければ、たとえパスポートやビザがあったとしても入国が認められません。なのでカメルーンに入国する際は、少なくともカメルーン入国10日前までに黄熱病の予防接種を受ける必要があります。
私はカメルーン入国1ヶ月ほど前に日本において黄熱病の予防接種を受けました。日本では黄熱病の予防接種を受けることができる場所は検疫所及び一部の診療所に限られており、検疫所の場合予約が必要となります。接種後は10日目から効力が効きはじめ、10年間有効です。
このようにカメルーンという国は、アメリカやフランスといった国々とは違い、気軽に入国することはできず、また黄熱病以外にもマラリアといった病気に罹る危険性があるので注意が必要です。
グローバル化によってますます人の移動が激しくなり、多くの人が海外に出かけるようになりましたが、海外に出発する際は目的地の感染症情報や安全情報を事前に確認することをお勧めします。

カメルーン紀行

(独立記念日の首都ヤウンデの様子)

No.1 2012年6月17日
カメルーンという国をご存知でしょうか?私は今年の3月より3年間の期限付きで、在カメルーン日本国大使館において働いています
カメルーンは、2002年FIFAワールドカップが行われたときに、日本でも大きく紙面で取り上げられたため、その名前を聞いたことのある人も少なくないと思います。
しかしながら、カメルーンという国が一体どういう国かということはまだまだ日本では知られていないように思います。
カメルーンは、アフリカ大陸の中西部に位置している共和制国家で、チャド、ナイジェリア、中央アフリカ、ガボンといった国々に囲まれています。カメルーンの面積は約475,440km2で、日本の約1,3倍です。またカメルーンには240もの異なる民族が存在しますが、カメルーンの公用語はフランス語と英語です。
日本は1991年1月、在カメルーン日本国大使館をカメルーンの首都であるヤウンデに開設しています。カメルーンと日本の二国間関係は経済協力や技術協力を通じて比較的良好で、2006年からは海外青年協力隊のボランティアがカメルーンの各都市に赴いて現地の人々と協力活動を行っています。このような日本から遠く離れている地においても大使館が必要とされるのは、もちろん両国関係のさらなる強化という面もありますが、現地で生活をする邦人の保護といった面もあります。具体的には現在自分の従事している仕事は、大使館内で日本人職員と現地職員の仲介にあたったり、フランス語や英語で書かれた契約書や新聞等の翻訳、あるいは館員の航空券の発券作業のサポート等にあたっています。また政府要人に対しての便宜供与やカメルーン案内を作成したりしています。
今後紹介していく予定であるカメルーンの様子や歴史、文化等が皆さんのアフリカ理解を深め、知的好奇心を刺激し、アフリカから見たヨーロッパ、北米、そして日本がどのようなものであるかを少しでも考えるきっかけになれば幸いです