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奥谷伶央さん



第二回日中交流会 in 上海同済大学

日中学生交流会とは

日中学生交流会写真

2016年5月28日、「第二回日中交流会」が上海の同済大学で開催され、私も参加してきました。「日中関係における若者・学生の考え方と役割」をテーマに、日本人学生8人(うち4人は同済大学に留学中の日本人学生)と中国人学生8人とで学生自身が司会をし、主に中国語のみで相手国に対する考え方や、若者としての役割について、ざっくばらんに突っ込んだ討論を展開しました。昨年10月に名古屋で行われた「日中大学生討論会」を受け継ぎ実現致しました。

準備期間

今回の事業の引率者である名古屋外国語大学特任教授・川村範行先生には大変お世話になりました。
ありがとうございます。
交流会に参加する愛知の学生3人と川村先生で何度か喫茶店で集まり事前準備をしました。
日程や進行の確認、日中の歴史や政治についての勉強会、討論会で話したいことについてのレポート作成等、就職活動とも重なり忙しい毎日でしたが、先生のご指導のもと、こうした事前準備が交流会を成功に導いたのだと思います。

上海1日目

上海での写真

上海の浦東空港で同済大学の中国人学生が私たちを迎えてくれました。
みな、上海は初めてという事で、上海の有名な場所を案内していただきました。
「豫園」「田子坊」等の中国らしさを味わう事の出来る名地へ連れて行っていただき、上海の街並み、文化に触れました。

夜には同済大学アジア太平洋研究センター所長・主催者である蔡建国先生に歓迎会に招待していただき、中華料理を堪能しながら、交流会についての打ち合わせや、日中についての貴重なお話をしていただきました。
この歓迎会の時に、交流会はすべて中国語で進行する、という事を初めて知り、みなとても焦っていたことを覚えています。歓迎会終了後、学生たちで集まり、近くの喫茶店で夜遅くまで念入りに中国語で準備していました。

2日目交流会当日

2日目の午前中は中国人学生に上海博物館へ連れて行ってもらい、中国・上海の歴史について学びました。
そして、交流会本番、初めに蔡先生に「日中関係は二千年の友好往来の歴史があるが、近年には問題も起きている。
両国の学生が直接向き合って本音で話し合い、議論を深めてほしい」と挨拶をしていただき、続いて、川村先生に日本側を代表して「名古屋から上海へと大学生の討論会が引き継がれ、意義深い。
両国の政治外交面では課題もあるが、時代を担う若者たちが相互交流を通じて相互理解を促進するよう期待する」と中国語で挨拶をしていただきました。
中国人側の参加者の約半分は日本に全く触れたことのない法学部や土木科等の学生であり、より現代の中国人の声が生で聞けたことが印象的でした。
交流会は大きく二部に分かれており、全部で三時間半に及ぶ討論となりました。第一部では「日中関係に対する考え方」について、両国それぞれの意見を述べ討論しました。第二部では「日中関係における若者の役割」というテーマで、私が司会を務めさせていただきました。

討論を通じて、「海洋に囲まれ、国土が狭く、資源不足の特徴のある日本の地理は、日本人の「武士道」の精神に熱狂的な追及を持たせる。」、「日本は歴史を正視し反省すべきだ。」等、日本にいるだけでは感じることのできない、中国の生の声が聞けたことが特に印象的でした。

夜景

交流会終了後は白熱した討論とは打って変わり、楽しく夜の上海の街並み、夜景を堪能しました。この時も、中国人学生が私たちのために付きっきりで案内してくれたことが印象的です。

最終日

銅像

上海最終日も朝から中国人学生の友達が学食を案内してくれ、一緒に朝食をとりました。そして最後に魯迅記念館に連れて行ってもらい、日本とも関わりの深い魯迅先生について学びました。帰国時も彼らは、空港の荷物検査の場所まで見送りをしてくれ最後の最後までつきっきりでお世話になったことを覚えています。

終わりに

今回の三日間の上海を通し感じたことが二点あります。

一つ目に、中国人学生の親切心です。三日間という短期間の間に大都市上海を終始探検し疲労もだいぶ溜まっていました、そんな私たちに終始付き添ってくれ、上海を教えてくれた中国の友達には本当に感謝していますし、今でもあの熱烈な歓迎には驚いています。

二つ目は交流会を通じ、日本に対する印象が聞けたことです。「日本は武の精神を持つ軍事的な国だ」と思っている中国人学生もいました。名古屋外大に来ている留学生、日本が好きな外国人等、私が普段触れている海外の意見というのは実は少数派で、私が交流会で感じた違和感というのは中国では多数派なのかなと考えさせられました。そしてそのギャップを埋めていくためにも、今の若者が進んで国際理解をしていかなければいかないなと感じました。

現代日本の中国に対する印象というのは良いとは言えないと思います。
それは政府間の問題であったり、メディア報道の仕方の問題であったり、間接的に受けた印象だと思います。直接自身の目で見た等身大の中国を知り、その自分自身の経験を周りに伝えていくことが大切なのではと思います。