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中溝優花さん



国際会議「One Young World Summit」に参加して
現代国際学部 現代英語学科 3年 中溝優花さん

2014年10月、アイルランドで若者たちによる国際会議「One Young World summit」が開催されました。
会議に出席した、現代国際学部 現代英語学科 3年の中溝優花さんにお話しを聞きました。

※One Young World とは
次世代を担う優秀なリーダーを育成するための民間発の全世界合同産官学連携次世代リーダー育成プロジェクトです。年1回開かれる会議では、世界が直面するさまざまな問題について若者たちが解決策などを話し合います。
One Young World Japan Committee公式サイト

平和な国で生まれ育った私たちが知るべきこと

私は幼少期をアメリカ合衆国で過ごし、帰国後もホームステイや留学等をして、自分では海外のことをある程度分かったつもりでいた。だから、私は「世界各国のリーダーたちはどのような事に重点を置いて生活をしているのか」ということを知りたいと思い、One Young World Summit に応募した。しかし、蓋を開けてみると、私は当初の目的を探る以前に世界各国の現状を知らないことを痛感させられた。私は銃もない平和な国である日本に生まれ、お金にも困らず何不自由なく生きてきた。

そして、渡航したことのある国も全て先進国で、自由を求めて人々が亡くなることなど見たことも考えたこともなかった。しかし、現状では日本のように平和な国は少なく、現在においても多くの国は政府に抑圧されていて発言の自由が無かったり、国民が罪無く亡くなっていったりしている。私はその事実を知って、今この文章を読んでくださっている方へのメッセージを2つ紹介したいと思う。

小さくても行動を起こすことが大事

1つ目は、「行動を起こして欲しい」ということである。One Young World Summitに参加していた発展途上国から来た多くの参加者たちは世界に、特に先進国に、自国の現状を知ってもらった上で何かしらの支援を望んでいた。そのために、サミットが開始される時間より前に会場に行き、少しでも発言できる機会が与えられるようにステージ前の座席を陣取り、恐れを知らず進んで発言していた。その中には、その国の政治上メディアや国際的な場で発言してはいけない自国のことを話していた人もいた。その人は、無事に帰国できたのかも、現在生きているのかも分からない。しかし、自分の身を危険に曝してまでも世界、先進国に伝えたかったことがあったのだ。それを知ると、小さいことしかできないかもしれないが、平和な先進国で生まれた身として何か行動してあげたいと強く想った。日本人の多くは、一般的な道から外れて行動することを拒む傾向があると感じる。しかし、自分たちは未来なのだから、望む未来があるのなら、自分から行動を起こさなければならない。

世界の現状に心を向けて

2つ目は、「他国に興味を示して欲しい」ということである。私がこのサミットを通して最も興味を抱いたスピーチは、脱北の話しである。私と同い年で、同じアジアで生きてきたにも関わらず、私とは比べ物にならないくらい壮絶な人生を歩んできていた。このスピーチを聴く以前は、北朝鮮といえば、拉致問題やミサイル発射問題などあまりいいイメージがなかった。しかし、彼女のスピーチのおかげで自分の未熟な考え方を認識することができた。私は今まで固定概念に捕らわれていたり、自分のこと以外あまり考えられていなかったりした。しかし、「もし、自分が北朝鮮に生まれていたら…」そのように他国に興味を示して考えられるようになることで、助けを必要としている国々に働きかけることができる。だから、まずは、無知にならないよう常に他国のことに興味を持ってもらいたい。

未来をつくるのは私たち

世界で起こっている問題なんて世界一の主導権を握るアメリカ合衆国に任せればいいと考える人もいるかもしれない。しかし、武器を持たない平和な先進国である日本で生まれた身としてできることはあるはずだ。世界には、様々な理由で自由を奪われた人たちがいる。死を覚悟して世界に現状を伝えてくれた人たちを救えるのは、未来をつくる先進国出身の私たちなのではないだろうか。